十蘭の北方史への愛着を感じる漂流もの2編の描写が実に痛ましい。舵も帆も失って数年間も流され続ける船の上で、飢え、絶望し、心身共に蝕まれていく人々。東北の大飢饉の中、新天地を求めてなお夢破れた人々。悲しくはあるけれど、精一杯生きようとした人々の夢のあとがじわっと胸にしみる。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
幻想・ゴシック
- 感想投稿日 : 2012年10月15日
- 読了日 : 2012年10月13日
- 本棚登録日 : 2012年8月1日
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