なんとも風変わりなスカイツリーと東京タワーとの往復書簡。その間に挟まれた8つの短編は、それぞれにまったく別の様相を呈し、相互に繋がりがあるわけでもなし。
ダイエット中の顧客とその相談に乗る社員。ある出版社の倉庫番だった男との恋を思い返す女社長。なんでも屋の兄弟が関わった老女。地震にあった少年とその両親。ふと足を踏み入れたギャラリーで妙な体験をする女子大生。薔薇屋敷と呼ばれるゴミ屋敷に暮らす老姉妹。初恋の相手と再会して結婚を果たした人。キッズ対象の英会話教室を始めた女性。
すべてを繋ぐのはただ東京の空。スカイツリーと東京タワーが見つめる空の下、人はあたふたしながら生きています。
同年代の小川洋子と似た雰囲気を持っていますが、静謐さや円熟味を感じる点で、私は小川洋子のほうが好きかも。だけど、不思議な余韻は残ります。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
既読(2017年)
- 感想投稿日 : 2017年9月7日
- 読了日 : 2017年9月7日
- 本棚登録日 : 2017年9月7日
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