浅田次郎は売れすぎの印象があり、アマノジャクな私はずっと敬遠してきた作家。知人から無理やり貸された『きんぴか!』全3巻を渋々読んだら「どストライク」。同じ知人から貸してもらった『プリズンホテル』にも笑い泣き、それまで読まなかったことを後悔しました。
本書は日本航空の機内誌“SKYWARD”に連載中のエッセイの文庫化第2弾。これまでは浅田次郎の小説ばかり読んでいて、エッセイは初体験。
浅田さんの日本語はいつも正しくて安心します。映画『グランド・イリュージョン』(2013)を観たとき、「押しも押されぬ」という字幕を目にして悲しくなったあと、『プリズンホテル 2 秋』を読んでいたら、ヤクザが経営するホテルに不手際から警察官の団体が宿泊、マル暴(暴力団対策課)の係長がホテルオーナーのことを「才気縦横の策士、押しも押されもせぬ大貫目だ」と評する場面があって嬉しくなったことを思い出します。正しい日本語、それでいて可笑しく、本を読む幸せを感じさせてくれるのが浅田次郎。電車の中でたびたび声を上げて笑いそうになり、相当怪しいヒトになっていたと思います。鹿児島名物「生しろくま」、食べたい。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
既読(2015年〜2010年)
- 感想投稿日 : 2017年4月25日
- 読了日 : 2017年4月25日
- 本棚登録日 : 2017年4月25日
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