読みやすく書かれているけど、その内容は、かなり深い。
「存在」がそもそも有り得ない稀有な出来事であること、むしろ「存在=無」であること、近代以降の我々人類がゲシュテルの中に生きていることなどなど、ハイデガー哲学のエッセンスを実に小気味よく論理的に、それでいて流れるような筆致で書いている。
ナチズム参画の意味や放下というスタンスについても、大きなヒントを与えてくれる。
皮相的な欲望充足で満たされた気になっている僕ら現代人が、見て見ぬふりをしている実存的な不安…そんな心のつっかえを少しだけ溶かす手立てになる一冊。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
■哲学・思想・倫理・イデオロギー
- 感想投稿日 : 2016年5月1日
- 読了日 : 2016年4月29日
- 本棚登録日 : 2014年9月18日
みんなの感想をみる