ハイデガー=存在神秘の哲学 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2002年3月19日発売)
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本棚登録 : 493
感想 : 42
5

読みやすく書かれているけど、その内容は、かなり深い。

「存在」がそもそも有り得ない稀有な出来事であること、むしろ「存在=無」であること、近代以降の我々人類がゲシュテルの中に生きていることなどなど、ハイデガー哲学のエッセンスを実に小気味よく論理的に、それでいて流れるような筆致で書いている。
ナチズム参画の意味や放下というスタンスについても、大きなヒントを与えてくれる。

皮相的な欲望充足で満たされた気になっている僕ら現代人が、見て見ぬふりをしている実存的な不安…そんな心のつっかえを少しだけ溶かす手立てになる一冊。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ■哲学・思想・倫理・イデオロギー
感想投稿日 : 2016年5月1日
読了日 : 2016年4月29日
本棚登録日 : 2014年9月18日

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