子の無い人生

著者 :
  • KADOKAWA/角川書店 (2016年2月27日発売)
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本棚登録 : 491
感想 : 54
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うーーーーん。
唸りながら読んだ。
付箋貼りながら読んでたら、付箋だらけになってしまった。

もともとオレは酒井順子の本は好きでよく読んでるんだけど、これは今まで一番ヘヴィーだったなー。

『負け犬の遠吠え』よりも更に、奥深いところをついていて、ポリティカル・コレクトネスの問題もあり、非常に表現しにくいところを、明晰に、表現している。

男がこれを書いたらアウトだろうけど、酒井順子だから、書ける。

でも、女は子供を産むためにはタイムリミットがあるから、そこで色んな緊張が生じるけど、男は産む性じゃないから、子なしでもヘーキみたいなことが書いてあるけど、それは間違ってる。

男だって、結婚してなかったり、子なしだったりしたら、周りから、不快なことを、いろいろ言われるよ。
はっきり言ってそれは完全なセクハラなんだけど、男に対するセクハラは、より見えにくいから、たいへんなんだよ。
男に関する記述以外は、ぜんぶ納得だけど。

そうなんだろーなー、とか、あるよなー、とか思いながら読んでた。
現在の時代状況を正確に表現してる。
野田聖子ちゃんの記述とか。オレも彼女が書いた本を読んだし。
それに安倍昭恵にインタヴューしたこととか。政治の世界なんて、野蛮な風習もいっぱい残ってるから、彼女はほんとうにたいへんだったと思う。

酒井順子が途上国の貧しい子達に里親制度で献金をしていて、その子たちに合うために現地へ行ってみたら、インフラストラクチャもぜんぜん整ってなくて、貧しいんだけど、ある意味、日本人より幸せそうに見えて、考え込むカンジが、こちらにもよく伝わってきた。

この人の洞察は、深いなあ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: エッセイ
感想投稿日 : 2016年11月14日
読了日 : 2016年11月14日
本棚登録日 : 2016年11月14日

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