空が分裂する (新潮文庫nex)

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  • 新潮社 (2015年8月28日発売)
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「感情は名をつけたら俗物になるんよ」

『君は先週なにを残した?
10年後その7日間を覚えているのかな、あさって、その7日間を覚えているのかな、昨日なにを食べた? どんな夢を見た? 君は先週なにを残した?』

『「発見してくれ」
赤い血なのは
そういう気持ちがあったから』

『「いまなにがあっても悲しくはない」
「死んだって」「消えたって」
「きみが消えたって」
「家が海にしずんでも」「はじめから宇宙が嘘で」「みんなが」
「生まれていなくたって」』

『命のありがたさを感じるためには、いつでも死が必要なんだね。』

『本気で好きなのは命だ。命があれば、きみたちはばかだろうが、ぶきようだろうが、悪趣味だろうが、同じように平均的に区別なく愛そう。そう約束してくれたのは地球だろ。そう約束されて、いやがったのが人類だろ。差別してくれよ、あいつなんかよりぼくはずっと優秀だって、あいつなんかよりずっとうたがうまいよって、そればかりを、叫んで、そのうち愛を得られない人と、得られる人ができたわけだ。ばかだね。』

『未来が来ることはぼくがしぬこと。きみがしぬこと。かわいいあのこがしぬこと。おいぼれること。』

『赤い糸で人がつながっているんだと信じていた頃、絡まるのがいやで空に浮いていたかった』

『よろこびは毛布に、彩りは洋服に、60億人の人口は本の中に。』

『それでもきみたちは自分が、純粋で素直で素朴で、幼さを忘れない、心のすんだ人間であると、思っている。天使だと名乗るきみを、ぼくは絵にかき、地獄絵図として売ろう。』

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2015年9月13日
読了日 : 2015年9月13日
本棚登録日 : 2015年9月13日

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