「感情は名をつけたら俗物になるんよ」
『君は先週なにを残した?
10年後その7日間を覚えているのかな、あさって、その7日間を覚えているのかな、昨日なにを食べた? どんな夢を見た? 君は先週なにを残した?』
『「発見してくれ」
赤い血なのは
そういう気持ちがあったから』
『「いまなにがあっても悲しくはない」
「死んだって」「消えたって」
「きみが消えたって」
「家が海にしずんでも」「はじめから宇宙が嘘で」「みんなが」
「生まれていなくたって」』
『命のありがたさを感じるためには、いつでも死が必要なんだね。』
『本気で好きなのは命だ。命があれば、きみたちはばかだろうが、ぶきようだろうが、悪趣味だろうが、同じように平均的に区別なく愛そう。そう約束してくれたのは地球だろ。そう約束されて、いやがったのが人類だろ。差別してくれよ、あいつなんかよりぼくはずっと優秀だって、あいつなんかよりずっとうたがうまいよって、そればかりを、叫んで、そのうち愛を得られない人と、得られる人ができたわけだ。ばかだね。』
『未来が来ることはぼくがしぬこと。きみがしぬこと。かわいいあのこがしぬこと。おいぼれること。』
『赤い糸で人がつながっているんだと信じていた頃、絡まるのがいやで空に浮いていたかった』
『よろこびは毛布に、彩りは洋服に、60億人の人口は本の中に。』
『それでもきみたちは自分が、純粋で素直で素朴で、幼さを忘れない、心のすんだ人間であると、思っている。天使だと名乗るきみを、ぼくは絵にかき、地獄絵図として売ろう。』
- 感想投稿日 : 2015年9月13日
- 読了日 : 2015年9月13日
- 本棚登録日 : 2015年9月13日
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