中学校が舞台の図書室物語。レビューを拝見しても実に多くの方が同じような思いや経験をしている事が窺える。それだけここで語られる家庭や学校生活、カーストやいじめ、将来への不安や恋愛事情などが日常であり、誰もが経験しうることであるのだ。その只中にいる人にも、なんとか乗り越え大人になり回想する人にもそっと寄り添う本であろうと思う。
流す涙のネガティブなイメージからの変化。「優しい気持ちで流す涙で、…」
気づき。「誰も助けてくれないのは、助けてって声をあげなかったからだって。…」
なにもない、ただ好きなものがあるだけ。「いくつになっても、好きを始めることはできるもの。人間は、人に出会って…」
私の琴線に触れたフレーズである。読者一人ひとりに寄り添い、語りかけてくれるフレーズがあるでしょう。
言葉は生きていると感じます。現代小説ですから『若者言葉!?』(こう書く時点で私は古いのだが…)が使用されるのもわからないわけではないが(私なりに理解して読むも本意はあやしい)、数年後、その言葉は使われなくなりきっと「?」となるのかなと思ったりもしました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
一般書
- 感想投稿日 : 2024年1月6日
- 読了日 : 2024年1月5日
- 本棚登録日 : 2023年11月17日
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