書くことについて (小学館文庫) (小学館文庫 キ 4-1)

  • 小学館 (2013年7月5日発売)
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本棚登録 : 1952
感想 : 131
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・履歴書
・書くこととは
・生きることについて
の3本立てでキングが自分の人生と創作について語って聞かせてくれる素晴らしい本。

書くことについて、16章にも分けて丁寧に語られたメソッドはシンプルで実践的であるとともに全く手軽ではない。自分が産み出した登場人物たちが自然に織りなすストーリーを見守り、自分が本当に感じたままの言葉で真摯に語るのは決して簡単なことではないけれど、それこそが文章を書く楽しみであり、その積み重ねが物語の価値を生み出す。

楽しんで、真摯に書くこと。


"私が書くのは悦びのためだ。純粋に楽しいからだ。楽しみですることは、永遠に続けることができる"

"ときどき書くのが辛いと思うことはあるが、脚の具合がよくなっていき、気持ちが日々のルーティンに馴染んでくるにつれて、適切な言葉を見つけて文章にする楽しみはどんどん膨らんでいく。それは飛行機が離陸するときの感覚に似ている。滑走、滑走、滑走……そして離陸。それで、魔法の空気のクッションに乗り、世界を眼下に一望できる。この時ほど幸せを感じる事は無い。私は書くために生まれてきたのだ"

後書きにあたる「生きることについて」の中でキングは(この本を書いている)近年に遭遇した大事故のことを語り、そこから自分を立ち直らせたのは奥様の献身と本書を書き上げることだったと言っている。


売れる本を書きたくて手法を探している人ももちろん得ることがあるし、頭の中にある物語を書いてみたい、自分にも小説が書けるのでは?とウズウズしているような人にはとてもお勧め。
大御所スティーブン・キングがあなたの肩を叩いて、やってみなさい、きっといいものが書けるよ、と応援してくれているような本です。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年2月28日
読了日 : 2024年2月28日
本棚登録日 : 2024年2月11日

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