双界幻幽伝 二人は一触即発! (ビーズログ文庫)

著者 :
  • エンターブレイン (2011年11月15日発売)
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感想 : 16
3

“「そんなに小さくなられてしまうと、君を見失いそうだな。手をつなごうか朧月」
「......天祥さま。こいつは俺が連行しますから、お構いなく」
「え......あの、わたしは一人でも大丈夫で——」
「信用できるか馬鹿」「迷子になってからでは遅いんだよ?」
同時に言われて、しゅんとする。
そうして左手を天祥にとられたかと思えば、右の二の腕をぐいっと蒼刻に引っ張られ、朧月は目を白黒させた。今朝から挟み撃ちに合いっぱなしだ。
どちらが珍獣を連れ歩くか議論している間に、不幻がふいに後ろから来て朧月を抱え上げた。普段よりも高い位置に持ち上げられた朧月は、声にならない悲鳴をもらす。
不意打ちに目を点にした蒼刻と天祥を前に、不幻はぼそりと言った。
「平和的解決」
「どこがですか!」”

不幻のキャラが面白い。
情報屋さんの本名とか辺りはこれからに関わってくるのかな。
桃まん食べたい。

“不幻は淡々と言った。
「蒼刻。君は近いうちに、護花七将軍に正式に任命される。双璧がそう言っていた」
不意打ちに、蒼刻はゆるやかに瞬く。
もろもろの理由で着任を保留されてはいたが、国軍を統べる双璧と呼ばれる二人がその気になれば、いつ任命されてもおかしくない状態だったので、大きな驚きはない。受けていいものか、迷いはあっても。
問題は、なぜ双璧が今「その気」になったかだ。彼らは理由のないことはしない。
そして、空位だった国軍の司令塔の座を埋める理由など、絶対にロクなものではない。
「——呂将軍、まさか......」”

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 文庫本
感想投稿日 : 2011年11月30日
読了日 : 2011年11月30日
本棚登録日 : 2011年11月30日

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