“「ゆえに、我々が美少女戦隊を組織し風紀を守ろうと思……」
「なんでそうなるんですかっ!!」
引き戻すというよりは、新たに道を作り出すかのような先輩の言葉の途中で、突っ込みを入れる。
「ナイスな突っ込みだ、言葉を最後まで言わせないとは。はじめ君……恐ろしい子」
「そなことはどうでも良いんです。なんでそんなことになるのか説明してください!」
「いや、知力体力時の運その他もろもろの能力、さらには友人、恋人、手下と人材にまで恵まれた私に生徒会長から助けてくれと、白羽の矢が立った訳だ。私はせいと会長とは懇意にさせてもらっているからね、無碍に断る訳にはいくまい」
「そこまでは理解できないこともないですが、美少女戦隊を結成する理由がまったくわかりません!!」
「平和を守るのはいつの時代も美少女だ」
「先輩、戦隊物やった時も魔法少女やった時も同じようなこと言ってました!!」
「この世界だって美少女に救われた方が幸せだろう」
「んなこと知りませんよ!!」
必死さを通り越して悲壮さすら漂ってきたぼく。そんなぼくを見て、先輩がキリリとした表情をした。
「という訳で、何に代わってお仕置きするかだが…………」”
女子嫌いのさわやか呪術師生徒会長空山総一郎。
文化祭話。
絵のタッチが変わったことも重なって表紙が誰かマジでわからなかった。
タッキーまじかよタッキー。
この学校の生徒たちは面白すぎる。
新展開の予感の終わり方。
だけどここから展開の続編は出てないんだっけ?
残念……。
“ほんと困った人だ。でも……たまにならこんなのもいいなぁ。
「だがその前に、はじめ君」
先輩がぼくの方に向き直った。
「はい」
「君に言っておかなければならない事がある。女の私がうっかり言いそびれていた言葉だ。そして女性の私から男性の君へ贈る最後の言葉でもある」
「……はい」
ぼくは姿勢を正して先輩を向き合う。
先輩が、淡く輝く月明かりの下でいたずらっぽい笑顔を浮かべ言った。
「ずっと前から君の事を興味深く思っていた。私と共に生きる気はないかい?」
「ぷっ」
笑いが漏れた。まったく先輩らしい変な告白。
それで告白の返事は?決まってる。
ぼくは先輩に負けず劣らずの笑顔を浮かべた。
「よろこんで」”
- 感想投稿日 : 2010年8月24日
- 読了日 : -
- 本棚登録日 : 2010年8月24日
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