もと公務員(ケアマネージャー)の著者が、自己の体験に加え、孤独死をめぐる現場の現役の人々(医師、民生委員、現役公務員、新聞販売所経営者、団地住民等々)からの豊富な聞き取りをもとに、この問題の現況を描き出した本。まさしく、タイトルそのままの内容である。
変に理想論的だったりすることなく、現場を疲弊させない提言を心がけているあたりも非常にリアル。著者自身は読者に宛てて「時に身も蓋もないとお感じになることもあろうが」と書いているが、そう感じた人のほうが、己のお花畑ぶりを心配すべきだろう。
職を離れてのちまでこのような本を書くほど、たいそう親身に職務に当たったと思われる著者が、末尾近くで「周りとのコミュニケーション能力など、『生きる力』が加齢によって低下した人・あるいはもともと低い人が、孤独死を迎えることが多いように思う」と独白のようにつぶやいているのが印象に残った。
2014/12/7〜12/8読了
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
社会
- 感想投稿日 : 2014年12月8日
- 読了日 : 2014年12月8日
- 本棚登録日 : 2014年12月8日
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