タイトルどおりの内容。「聖書朗唱」(グレゴリオ聖歌のユダヤ教版)からシェーンベルクまで、通史的に両者の関わりを解説するが、近現代に比重が置かれており臨場感がある。ホロコーストで頂点を迎えた「近現代の反ユダヤ主義」をワーグナーとヒトラーにのみ帰結させるあたりはやや乱暴な気がしなくもないが、それではなく音楽を主題とする本であればまあ、了とすべきか。全体には俯瞰的なのだが、ときどきふと著者の個人的主張が顔を出すのが、首を傾げつつも興味深かった。
巻末の音楽家リストまで、充実のひとこと。いろんな意味で、著者の思い入れと心意気が感じられる1冊だった。
2014/11/4〜11/5読了
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
芸術・芸能・教養
- 感想投稿日 : 2014年11月5日
- 読了日 : 2014年11月5日
- 本棚登録日 : 2014年11月5日
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