魔法が使えなくても (FEEL COMICS)

著者 :
  • 祥伝社 (2018年7月6日発売)
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本棚登録 : 52
感想 : 4
5

紀伊カンナ先生の「エトランゼ」シリーズを読んでいて、絵柄も内容もとても優しくて切なくて好きだったので、こちらを購入しました。

誰しも程度は違えど生きづらさを感じて生きていると思いますが、その生きづらさがとても丁寧に前向きに描かれていると思いました。

以下、特に好きな点です。
・千代とたまき。二人の関係性が大好きです。特にたまきの描写は面白かったです。おそらくたまきは「自由に生きる」のが上手な人なのかな、と思いました。これはたまきが周りの子とは少し違う部分が多いからこそなのか、元々の性格なのか...。たまきの一人称に注目して読み返してみるのもおすすめです。
・岸くん。あぁ岸くん。千代に「キモい」と言われた際の心理描写が特に好きでした。傍から見れば理不尽だし腹が立つしダメだけれど、「あぁそうなるよね」という共感もできて。素直に傷つくのってとても勇気がいるよなぁ、などと考えさせられました。
・「やりたいことできることの違い」について。これを抱えている登場人物は何人かいましたが、これも切なくて素敵でした。
・絵柄もとても素敵です。登場人物の表情が生き生きとしていて、背景の手描きタッチも好きです。雪が降っているシーン、冬の街の匂いが思い出されます。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2020年9月30日
読了日 : 2020年9月30日
本棚登録日 : 2020年9月30日

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