これまでフランスで現地の人との交流をしたり、フランス人の暮らし方に関する本を結構読んできたため、どの話も納得できるものばかりです。
逆にいえば、特に真新しいことは書かれていませんでした。
最近の本ではないため、ようやく現代の日本の潮流が、本に書かれてあるフランス式スタイルに近づいてきたなあという気はしています。
ただ、全編を通じてフランス礼讃本になっているため、そんなにフランス流はいいところばかりかなあ?と疑問に感じました。
フランスだからこそ美徳とされる点が、日本では欠点になる可能性も多々あります。
フランス人著者は、日本生活も長く、両方の国について知っている人なだけに、日本人読者に向けて、日本流長所とフランス流短所も合わせて、きちんと紹介してほしかったと思います。
「彼女はフランス人だから」と、日本で特権的に許されていることも少なからずあるはずですので、文章からは、片面しか見られていないような、見識の偏りを感じました。
今の時代に読むからこそ、少し違和感を感じるのであり、発刊当時はかなり画期的なエッセイだっただろうと思えます。
私はとんとんとスムーズに読めましたが、著者が、現在はどのようなものを書いているのか、多少はこの本から発展した考えになっているのか、ちょっと気になりました。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
エッセイ・対談
- 感想投稿日 : 2011年2月25日
- 読了日 : 2011年2月24日
- 本棚登録日 : 2011年2月24日
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