目が覚めるとそこは孤島。
何者かに襲われた十津川警部は絶海の孤島に連れてこられていた。 そこには一年前の事件現場を忠実に再現した建物の数々、そしてその事件の法廷証人7人。 何者かが仕掛けた「私設法廷」、事件の再検証をしているうちに見えてくる証人たちの嘘と秘密。 あの事件はもしかして冤罪だったのではないか? 十津川の疑念を裏付けるように新たな殺人が始まった・・・。
40年前の作品ともなると古い表現や時代錯誤な描写も懐かしいを超えて興味深いになるんだなと。 序盤から主人公警視庁の十津川警部が何者かに誘拐され孤島に幽閉されてしまう。 そこには事件のセットと事件の証人が集められ、事件の再考証を求められるのだがこの流れが非常にスピーディである。 証言の矛盾を突き止めるどっしりとした法廷場面が始まったかと思えば、新たな殺人が同時に発生する緊迫した展開に移り変わっていく。 大々的な仕掛けや登場人物の言動や心情はリアリティをかなり犠牲にしているが、それを引き換えに最後まで先を読ませない壮大なサスペンスに仕上がっている。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年5月1日
- 読了日 : 2021年8月11日
- 本棚登録日 : 2022年12月29日
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