村上龍初読。
もう十年以上前の、このなんともいえない日本の閉塞感が妙に生々しい。
フランクが怖い。
後半のシリアルキラーなフランクより、前半のまったく得体の知れないかんじの方がやたらリアリティがあって怖い。
会話が噛み合わない、ちぐはぐなコミュニケーション、なのに「こいつはやばいぞ」という雰囲気がすごく伝わってきて怖い。
結局彼は何者だったのか。
そのへんについてはぼかした書き方になっているので、尻切れとんぼ気味。
それもまたフランクという怪物を際立たせる。
この時期、10代の少年たちがクローズアップされたけどそんな彼らも不況の波と戦うアラサーになってる。
何が異常で何が正常か、判断するのは難しい。
時の無常さを感じた一冊。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
アングラ、ノワール
- 感想投稿日 : 2011年5月11日
- 読了日 : 2011年5月11日
- 本棚登録日 : 2011年5月11日
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