抽選見合い結婚法が可決され、25~35歳の独身男女は否応なく見合いをさせられる。2回までは断れるが、3回断ると"テロ撲滅隊"なる軍隊か、僻地勤務2年、という強制力つき。
現代の少子化問題を、コミカルに、でも綺麗事ではすまない深い部分までもうまく描いたストーリー。
結婚とか男女の関係は、理論だけで片付くものではなく、相手を生理的に受け入れられるか、波長が合うかといった感覚的な部分に大きく左右されるので難しい。切羽詰まった登場人物たちの葛藤は、他人事ではないが、そうした内面分析もしつつ、1年後にはそれぞれ、親との関係を見直したり、独身のまま子供を産んでいたりと、自分の人生を見つめ直していて、新たな関係性の兆しが見える終わり方で、元気をもらえた。
それにしても、あり得ない設定ながら、今の少子高齢化の加速度合いと、何でもありの政権の姿勢に鑑みれば、こんなバカげた法律も通りかねない、と思えてしまうところがコワイ。(笑)
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
小説
- 感想投稿日 : 2020年8月30日
- 読了日 : 2020年8月30日
- 本棚登録日 : 2020年7月11日
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