雑談にっぽん色里誌 仕掛人編 (ちくま書店)

著者 :
  • 筑摩書房 (2004年3月12日発売)
3.33
  • (1)
  • (1)
  • (7)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 29
感想 : 3

売春に関わった人々へのインタビュー集。

・浅草の銘酒屋=私娼街。銘酒屋という名称とあわせ、「新聞縦覧所」という名称も使われていた(p26)変遷時期ははっきりしない。ちなみに本当に名前だけで、新聞は置いていない。
・永井荷風の著作で有名になった玉ノ井が3月9日の空襲で焼かれた後に急遽つくられたのが鳩の町。
・トイチハイチ=レスビアン(p137)
・パンパン屋の語源。食べ物のカンパンや慰安所に語源があるとする説(p152)
・女性の当事者によるインタビューは珍しい(3章、神田千代)。話の時系列が前後したり飛んだり、つじつまの合わない箇所も多いのが、かえっていかにも生きたナラティブと感じさせる。しばしばトイレで中座するくだりは不要だろうに編集でカットしないのだろうか?と思っていたが、「あんまり使い倒して出るのかもしれんのだよ(p229)」という当人の発言。
・若い女性の集まる紡績工場にスカウトが置かれていた(p278)。
・売春防止法成立に至るまでの業者側の抵抗。業者が頼りにしていた政治家として大野伴睦[ https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%A7%E9%87%8E%E4%BC%B4%E7%9D%A6 ]の名が見える(p285)。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年10月16日
読了日 : 2022年10月8日
本棚登録日 : 2022年10月11日

みんなの感想をみる

ツイートする