2010年12月刊。
ブログなどでよく取り上げられている、この本。
自分もブログを書いている者の端くれとして、読んでみました。
特に、読書感想文の書き方のところ (p.102~) は、注目して読みました。
心を動かされたポイントは、以下の4点です。
・文章において、凡庸さは恥
・書き手にとっての発見を書く
・読書感想文は、上から目線で
・読書では、いいセリフが1つでも拾えればいい
今回は、ちょっと多めの引用でまとめてみます。
■文章において、凡庸さは恥
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気をつけてほしいのは、ゴールとして定める結論を道徳的なものにしないということです。
「これからは人に迷惑をかけないように生きていこうと思いました」
放っておくと、ついこんな結論で終わる文章を書いてしまいがちです。しかしこれはハッキリ言って最悪です。なぜなら、道徳的な結論というのは、あまりにも「凡庸すぎる」からです。
(p.41 最後の文章を決める)
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文章においては、凡庸さは恥です。結果としての凡庸さはある程度しかたがないとしても、せめて「凡庸さは恥」だということを肝に銘じておきたい。実は、そのことを知ってもらうことこそ、私が本書を書くにあたっての、隠されたテーマなのです。
(p.184 文章においては、凡庸さは恥)
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突き刺さったのが、この「凡庸さは恥」という言葉。
得てして「いい子ちゃん」っぽい文章を書こうとすると、凡庸な文章になってしまいがちです。
どこかで聞いたことのあるような凡庸な文章では、人の心には響かないのですね。
■書き手にとっての発見を書く
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私が重視するのは、文章の書き方ではなく、その「内容」のほうです。「内容」とはすなわち、物事をどう捉えたか、発見は何であるか、ということに尽きます。
発見というのは、なにも「人類史上初の発見」である必要はありません。書き手であるあなたにとっての発見は何なのか、ということです。
(p.16 おしゃべりと「書く」ことの違い)
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この「人類史上初の発見である必要はなく、自分のとっての発見を書けばよい」という言葉には、救われた気がします。
もちろん、まだ誰も書いていないことを書ければベストですが、そればかりを意識していると、書く機会を失ってしまいます。
自分が発見したことという視点であれば、肩肘張らずに、今後も書き続けていくことができそうです。
■読書感想文は、上から目線で
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「書く」ということはとにかく書き手が主役なのです。読書感想文でも、主役は本ではありません。書き手であるあなたです。本のほうを主にしてしまうと、「自分」が出しにくくなります。主従関係で言うと、自分というものが従の場合、「とても面白いと思いました」「ここがすごいと思いました」という「ひれ伏し姿勢」がある。そうではないでしょう。
「感想文」だったら、主であるあなたが書きたいように書いていい。この自由さが「書く」という行為のすばらしいところなのです。
(p.103 読書感想文は「書く」作業のファーストステップ)
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では、読み手が主になるためにはどうしたらいいか。私はまず、読書感想文を「読書エッセイ」だと認識し直すことをお勧めします。
「ここが面白いと思いました」というひれ伏した感じではなく、「この言葉が私をインスパイアしてくれました」という感じを出すのです。いや、もっと偉そうに「この私をここまでその気にさせてくれた」それだけに、この物語はなかなか大したものだ」とあくまで「上から目線」の姿勢で臨みましょう。
読書エッセイを書くときには、それくらい大きな態度でいいのです。
(p.104 「上から目線」と「生意気さ」を)
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この言葉は、読書感想文が書きにくいと感じている人に、大きな助けになってくれるはずです。
私は読書感想文(読書ノート・読書メモ)を書くときに、あらすじをほとんど書かないようにしています。
この部分を読んで、そのやり方は間違っていないと確信しました。
■読書では、いいセリフが1つでも拾えればいい
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自分の「共感アンテナ」にひっかかるセリフを見つけたら、大事にしましょう。「このセリフを核に文章を書く」とか「このセリフで勝負する」と思える決めのセリフを一つか二つ用意しておくと非常に文章は書きやすくなります。(中略)
セリフでもいい、印象的な場面でもいい。何でもいいから一つ拾ってきて、それで原稿用紙一、二枚でも、何か書き残せたらそれだけで本を読んだ甲斐があるなと思うのです。
(p.114 一冊の本で気の利いたセリフを一つ拾えればいい)
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書き手が何か新しい発見をしていなくても、あるいは全体の主旨がつまらなくても、キラリと光る言葉が引用され、しかも出典まで明らかになっていると、「読んで得したな」という感想を持ってもらえるのです。
(p.190 引用と出典でおトク感を出す)
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本全体を自分で要約して読書感想文を書こうとすると、かなり大変です。
でも、本の中の印象的な言葉をいくつか引用して、それを橋がかりにして読書感想文を書くようにすると、意外にスラスラ書けてしまったりします。
読書感想文を書く必要があるときに、「この本の中からいいセリフが 1、2 個でも拾えれば、読書感想文が書けるな」と思いながら読めれば、少し気が楽になりますね。
また、引用は、(書き手の)「意見」ではなく、(本に書かれている)「事実」なので、読書感想文の読み手に対して、説得力を増す効果もありそうです。
■まとめ
「文章において、凡庸さは恥」という言葉に出会えたのは、ラッキーでした。
凡庸ではない文章を書いていくためには、どうすればいいか?
文章ではあまり「いい子ちゃん」にならないように、書き方をいろいろ模索してみます。
- 感想投稿日 : 2011年8月19日
- 読了日 : 2011年8月14日
- 本棚登録日 : 2011年8月15日
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