ブッダが説いたこと (岩波文庫)

  • 岩波書店 (2016年2月17日発売)
4.34
  • (21)
  • (13)
  • (7)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 264
感想 : 13
4

西洋で出版された原始仏教の解説書としては出色のできとされている本で、原著は数十年前に出版されたものです。ですが岩波文庫からは比較的最近出版されたものです。なので珍しくフォントがそれなりに大きくて個人的には読みやすくてうれしい本です。
内容も比較的分かりやすく書かれていると思います。一部細かいところが理解できない事も正直ありましたけど。

個人的には、第一章の他宗教へのスタンス、形而上学的考察への対応の記載が、2000年以上前に答えが出てるじゃんと結構感動しました。形而上学的考察への対応のところでは、宇宙が永遠なのかとか形而上学的な質問が、そもそもあなたの苦からの解放に何か影響するのかという合理的な対応がクールです。また、そもそも仏教は信仰について関与していないし、何を信仰するかは自由だが、それを他者にこれだけが真理などとは言ってはいけない等、現代人は何をしているんだと思います。加えて、真理という言葉はあるけれども、西洋哲学がさす「普遍的な真理なんてない」的な話もあったり、改めて釈迦は優れた哲学者だったのだと理解できる本でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 哲学・思想
感想投稿日 : 2017年9月15日
読了日 : 2017年9月15日
本棚登録日 : 2017年9月15日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする