自滅する中国

  • 芙蓉書房出版 (2013年7月24日発売)
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感想 : 17
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著者は米国人、大手シンクタンク・戦略国際問題研究所の上級アドバイザー。邦題は刺激的だが、もとは『THE RISE OF CHINA VS. THE LOGIC OF STRATEGY』(台頭する中国 VS. 戦略の論理)で、原題のとおりの内容。ある国家が台頭する。その国の指導者・国民が「もっとこのパワーを自国に有利に使えるはずだ」と思い込む。周辺国に高圧的に出る。結果、隣国たちが協力し合って自然に同盟関係ができる。「戦略の論理」とはこのように、〈台頭する国は、「パワーが台頭している」という事実そのものから、パワーを失ってしまうことになる〉現象のことを指している。これは中国だけが陥っている状態ではない。第二次世界大戦前のドイツ・日本も、この論理の支配下にあったかもしれない。
 著者は中国の歴史から、現在の態度を導き出すようなこともしている。具体的な事例も豊富で、読みやすく、おもしろい。いかにも「嫌中本」的なタイトルは、アレだけれども、なかみはわりとまっとう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 経済
感想投稿日 : 2014年5月17日
読了日 : 2014年5月17日
本棚登録日 : 2014年5月17日

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