H・M卿シリーズです。
本書では正体不明の怪盗フラマンドとパリ警視庁のガスケとご存じH・M卿が三つ巴の知恵比べを繰り広げます。
語り手であるケンは美女イヴリンと共に一角獣を巡る極秘任務に巻き込まれます。
嵐の中、辿り着いた島の城では怪死事件が発生します。
ガスケだと名乗る人物が額に鋭い角のようなもので突かれた痕を残して殺されます。
マザーグースの獅子と一角獣の童謡を巧みに物語に取り入れていて、カーのストーリーテラーぶりに感心させられます。
さらに希代の怪盗と覆面探偵の正体が分からないだけでなく、登場人物全員が自己証明不可能といった混沌した状況は物語を大変に面白くさせています。
カーは混沌の極みといった状況を書くのが上手いですね。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2011年6月1日
- 読了日 : 2011年5月28日
- 本棚登録日 : 2011年5月28日
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