駅をデザインする (ちくま新書)

著者 :
  • 筑摩書房 (2015年2月10日発売)
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本棚登録 : 302
感想 : 8

新宿駅、東横線・副都心線の乗り入れが実現した渋谷駅をこっぴどくこき下ろすくだりは、一度利用したことがある人間なら拍手を送りたくなる。

一方、建築家との協働で生まれたみなとみらい線の各駅について、地下にありながら人間のストレスをいかに軽減させる工夫が施されているかという解説は読み応えがった。公共性の考え方、パブリックがもはや日本人だけに限らない昨今においてデザインが生み出す利便性についてもっと優先度をあげてほしいと思う。
特にパブリックサインなど人間工学・心理学に基づく工夫というのは、それ以前の悪い状態と比較しないと実感が得られにくいところもある。それは空気のようなもので、普段の生活に溶け込んでいるために気づかない貢献がある。数値化も難しいところなので、国際規格や利用者の声が大事になるだろう。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2015年7月29日
読了日 : 2015年7月29日
本棚登録日 : 2015年7月29日

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