アウグスティヌスの愛の概念 (始まりの本)

  • みすず書房 (2012年1月11日発売)
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感想 : 7

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『ヤスパースの指導と、ハイデガーの影響のもとに書かれたこの博士論文は、ナチスの政権掌握によって亡命を余儀なくされたアーレントが、つねに携え、長い年月をかけて手を加えつづけた一冊である。このデビュー作のなかには、成熟期の政治哲学にみられるものがすでに胚胎し、のちの思想的展開の豊かな基盤ともなっていることにまず驚かされる。
政治的・道義的に急速な転換をみた1920年代のドイツで、アーレントはアウグスティヌスという哲学史上・神学史上の巨人と、愛の概念について、社会のきずなの存在論的根拠について、さまざまな角度から対論を試みている。共同性の存在論を問うことで、自己と隣人と世界に対する、みずからの魂の位置づけを探求するかのように。
1929年にドイツで刊行された初版本を底本とし、のちに本人の手で加えられた注釈や修正をいかした英語版についても言及した、訳者による詳細な解説に加えて、解説「アーレント政治思想の展開と著作案内」を付す。』
(「みすず書房」サイトより)


原書名:『DER LIEBESBEGRIFF BEI AUGUSTIN』
著者:ハンナ・アーレント (Hannah Arendt)
訳者:千葉 眞
出版社 ‏: ‎みすず書房
単行本 ‏: ‎312ページ

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: キリスト教
感想投稿日 : 2022年9月7日
本棚登録日 : 2022年9月5日

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