雨にぬれても (幻冬舎アウトロー文庫 O 40-3)

著者 :
  • 幻冬舎 (2005年4月1日発売)
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本棚登録 : 153
感想 : 16
3

コラム・ノンフィクションのシリーズ第3弾。

とくに印象に残ったのは、著者が現役中学生に聞いた話(「中学生」143-152頁)。
中学2年生の男子というと、なんだか反抗期真っ只中のイメージ。←それは偏見w
だけど実際の彼らは、父親の助言を素直に受け取ったり、家庭の財政をそれとなく分かって気にしていたり…
学校の規則を頑なに守ったり(野球部に所属している彼らが問題を起こすと、部活停止になり皆に迷惑がかかるため)、ままならない恋愛に苦しんだり…。
自分が中学生だった頃は、もっとガムシャラに生きていたよなぁ~と、しみじみ思った。
でも、いつの時代の中学生も悩む事柄はそんなに変わらないものなんだなぁと思い、少し安心もした。

今回は、前作までとは趣が少し違ったように感じた。(ウェブマガジンの月一連載を編集したものだから?‥は関係ないか。)
とくにテーマも掲げられていなかったので、最初は戸惑ったが、逆にテーマの“答え”に近づこうと意識しなかったぶん自由な読み方ができたともいえるのかな、と思う。

あとがきには取材した方々の後日談などが書いてあり、これがまた心温まる内容だった。
何より著者の結びの言葉が、本書を読んで勇気づけられた人々の総意だなと思った。

〝失恋しても、失業しても、病気になっても、自信を失っても、人は生き続けているということ。この単純な事実に私ははげまされている。〟(259頁)

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 参考 / ルポ・ノンフィクション
感想投稿日 : 2016年7月11日
読了日 : 2016年7月11日
本棚登録日 : 2016年6月29日

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