とある飛空士への誓約 (3) (ガガガ文庫 い 2-15)

著者 :
  • 小学館 (2013年7月18日発売)
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感想 : 23
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とある飛空士シリーズ最終章、ブクログ上で刺激を受けてやっぱり読むことにした。追憶、夜想曲とコンプリート、恋歌は斜め読み的にあらすじだけは把握、アニメも視聴。追憶~夜想曲において、世界観、作者の文体、読後押し寄せる様々な思いの濁流にはすっかり魅せられており、海猫をはじめとした過去のキャラがどうかかわっていくのか?も楽しみ。

第1巻~3巻「第一部 エアハント士官学校」
主な登場人物が7人の男女、肌、髪、瞳の色がそれぞれ異なる若者達の出会いから彼等の絆を主に描いている。序盤にて7人のうち2名が裏切り者として示唆されるが、それが誰なのか?は伏せられており、さらに亡国のお姫様の存在までおり、ミステリ的要素も効果的。

第1巻では彼等7人の駆る飛行艇の、敵中翔破がメイン。これにより「エリアドールの7人」と呼称されることとなる。飛行~戦闘シーンはサスペンスフルな展開、裏切り者の伏線、撃墜王の父親を持つ二人の因縁、賑やかでありつつもハッピーエンド。そしてシリーズを通しての誓約が登場する、

第2巻、彼等が暮らすこととなりエアハント士官学校での日常がメイン、因縁の二人の模擬空戦、裏切り者は誰なのか?ミスリードも含めて読ませてくれる。

第3巻、そして裏切り者2名、お姫様の正体が明かされる。ラストは彼等のホーム士官学校の崩壊、そして辛い別れとなる。これにてエリアドールの7人は6人となる。


第1部を通して、7人のキャラ立ち、それぞれにのしかかる天命、それぞれが誰に偏ることなく描かれており、誰にでも感情移入は容易いと思う。今までの犬村作品においては最もラノベっぽさを感じた。(恋歌もそうだったかもしれないが?)しかしながら根底にはシリーズを通しての戦争があり、これから辛い展開になっていくのだろう。欝展開は好むところである、最終的には誰かが命を落とすのか?まだまだ先だろうが、とりあえず読むのを止められない面白さだった。

中盤において清顕は二人のヒロインの間でユラユラしちゃって、だらしないように見えるがあの気持ちは十分理解できた。ミオは作者曰くの、最薄幸ヒロインとのことであるが今後どのような動きを見せてくれるのか?他作品のキャラはどうなるのだろ?最も期待するのはレヴァーム皇国海猫の登場である。海猫最強!!!!

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 犬村子六
感想投稿日 : 2015年5月9日
本棚登録日 : 2015年5月5日

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