かたばみ

著者 :
  • KADOKAWA (2023年8月4日発売)
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本棚登録 : 644
感想 : 73
5

昔、家族で観ていたホームドラマを思い出す。
老若男女全ての人が楽しめる、笑いあり涙ありのドラマ。
戦中、戦後を生き抜いた家族のお話。
家族といっても今のような核家族ではなく、三世代、さらには叔父叔母いとこまでもが、狭い家に団子のように引っ付きあって暮らしている。
もちろん、戦争の悲惨な場面も出てくるのですが、一冊まるまる、清々しくて力強い。
作中、おばあちゃんが『時間もお金も少ないくらいがちょうどいい。余っていると余計なことを考えてしまうから』という意味のことを言っています。
まさしくそういうことなんだな、とストンと腑に落ちる。登場人物全ての言動が単純明快で気持ち良いほど。裏というものが全くないのです。口は悪いけど、言った後に何のしこりも残さない。
でも、悩みがないかと言えばそんなことはなくて、家族だからこそのすれ違いは、やはり起こるのです。そんなところは今も昔も変わらないなと思うけれど、解決の仕方は、大家族ならでは!
自分一人で抱え込まないのが大切なのかも。
図書館で見た時、あまりの分厚さに引いてしまったけれど、何ならまだまだ読んでいたいよ。終わらないでほしかったよ。
爽やかな読後感!いいお話でした。


読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年2月9日
読了日 : 2024年2月9日
本棚登録日 : 2024年2月9日

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