星を掬う (単行本)

著者 :
  • 中央公論新社 (2021年10月18日発売)
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本棚登録 : 11863
感想 : 901
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とても、とても辛いお話だった。
親子の関係って本当に難しいな、と思います。
いつまでも親のせいにしているんじゃない!大人になってからの不運は自分が招いたものなんだ!という意味の言葉も出てきたけれど、やはり、育てられた環境や親の影響はとても、とても大きいものだろうし、自分が育てられたようにしか、我が子を育てることはできないんだろうなぁ、良くも悪くも‥‥と思います。
だけど、受けた痛みを決して人のせいにしない人もいる。そんな人が眩しくて、「なんで、わたしはこうなんだろう。変わりたい、変わらなきゃと思うくせに、口からはいつだって、身勝手でひとを傷つける言葉が出る」。うん、うん、そうだよね、と主人公の千鶴に共感しきりでした。
登場人物たちがそれぞれとても辛い経験をしていて、みんな、なかなかの荒療治をしている。決してほっこりできるようなお話ではありません。でも、読後は温かな気持ちになっていました。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年2月11日
読了日 : 2022年2月11日
本棚登録日 : 2022年2月11日

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