脱北航路

著者 :
  • 幻冬舎 (2022年4月13日発売)
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本棚登録 : 450
感想 : 88
5

とても良い読書時間でした。 
これこそ読書の醍醐味!と言っても過言ではありません。
北朝鮮の軍人たちが、四十五年前日本から連れ去られた拉致被害者を連れて脱北し潜水艦で日本を目指す。
それだけでも読み応え十分ですが、そこに発覚せずに作戦は成功するのか?発覚してしまったあとは追っ手をかわせるのか?といったハラハラドキドキでページを捲る手が止まりません。
さらに軍人たちが何故脱北しようと思ったか、その一人一人の人間ドラマ、そして四十五年前連れ去られた少女を助けることができなかったことをずっと悔やみ続けている日本人たちのそれぞれの思い、それらが丁寧に描かれていてすっと感情移入できます。
また追う側、追われる側になってしまった男たちの友情物語としても、そして潜水艦内の緊迫したやり取りはある意味ではお仕事ドラマとしても楽しめると思います。
そして何よりも読後のこの爽やかさ!
どの方向からも満足させられた一冊でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2022年10月15日
読了日 : 2022年10月15日
本棚登録日 : 2022年10月15日

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コメント 6件

アールグレイさんのコメント
2022/10/16

こっとんさん(^_^)/こんにちは

脱北、テーマは重いとは感じますが、とても勉強にもなる本なのでは?と思います。
約8年程前に読んだ本ですが、重いテーマだったけれど、凄く勉強になり、今でもよく覚えている本があります。
角田光代さん、ツリーハウスです。
知っていますか?
中国残留孤児、満州から逃げて来た。
そんな内容です。面白さはないと思うけれど、本当に印象に残っています!
( ´*`)

こっとんさんのコメント
2022/10/16

アールグレイさん、こんにちは♪
テーマは重いけれど、とで勉強になる‥‥
本当にそんな本でした。
その重さに耐えられるだろうか、と読む前は気合いを入れていたのですが、ハラハラドキドキや心を震わせる人間模様など、読者を惹きつける要素がたくさん盛り込まれているのでとても読みやすかったです。思いテーマを読みやすくしている、というのは読者の幅が広がってたくさんの人が北朝鮮、拉致被害者のことについて考える機会に繋がっているのではないかなぁと思ったりしました。

角田光代さんの『ツリーハウス』
“読みたい“にずっと入っている本です。アールグレイさんとのこのやりとりをきっかけに、ぜひ“読み終わった“に昇格させよう!と思いました。

こっとんさんのコメント
2022/10/16

思いテーマ‥‥


でなく、

重いテーマ

でした‥‥訂正です。

アールグレイさんのコメント
2022/10/16

こっとんさん(^_^)/

脱北航路、私も興味が出てきました!
直ぐには読めませんが、読みたい本メモに加えておきます。
(*^.^*)

aoi-soraさんのコメント
2022/10/19

こっとんさん、こんばんは^⁠_⁠^

この作品、私もすごく心を揺さぶられました。
本当に、一人一人の人間ドラマが沁みるの。
最後の場面、巡視船の船長の覚悟も涙でした。
潜水艦の緊迫感の描写は見事だし。


こっとんさんのレビューを読んで、また蘇ってきました!

こっとんさんのコメント
2022/10/20

aoi-soraさん、おはようございます。
コメントありがとうございます♪

この作品、私も本当に引き込まれました。
あちら側にもこちら側にも人間ドラマ、事情はある‥‥ということが実によく描かれていますよね。
そして、ページを捲る手を止めさせない緊迫感!
これぞ、エンタメ!と思いました。
こういう重いテーマこそ、エンタメ感たっぷりに描いて、たくさんの人に読んでもらえたらいいなぁと思いました。

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