犬がいた季節

著者 :
  • 双葉社 (2020年10月14日発売)
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感想 : 673
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ほんのり胸が温まる作品でした。
高校の中でみんなで飼っている白い犬のコーシロー。みんなの気持ちが分かっていつも寄り添ってくれている。なんだか、関口尚さんの『ブックのいた街』を思い出しました。
昭和から平成と、コーシローと過ごした高校3年生たちの目線で綴られる短編集。
生徒たちがコーシローと過ごせるのは高校生活の3年間。3年経つと皆卒業して別れがやって来る。
そして、それぞれの短編の高校3年生の主人公たちも恋心を抱いた相手や友情を育んだ相手との別れの時が来る。
あー、高3ってそういう時なんだなぁ、としみじみ思いました。卒業後の自分の進む道に悩み、一人で進んで行くんだなぁ、地方の高校生なら尚更、家族とも離れる決心もしなくてはいけないんだなぁ、と。
もうすっかり大人な私は高校生活の話を読んでキュンキュンしつつも、最後の章で大人になったみんなの姿になんだか一番うるっときたかもしれません。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2021年6月27日
読了日 : 2021年6月27日
本棚登録日 : 2021年6月27日

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