向田邦子との二十年 (ちくま文庫 く 6-3)

著者 :
  • 筑摩書房 (2009年4月8日発売)
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感想 : 14
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向田邦子という女性は私の中では特別な女の人で、
意識しているわけではないけれど、”向田邦子”という言葉へのアンテナは、いつもバリ3で立っている。
ブックオフの100円コーナーに並んでいたこの本も、
そのアンテナにひっかかって、私の手元にやってきた。

自分が憧れている人の本を読みたいときというのは、
少し自分の中に元気がないときのような気がする。
前に進む力が欲しくて、どっちに進んだら良いかを教えてほしくて、その人に「頼って」しまうのだ。
生きている人と違って、ただ「頼る」ことはできない。
そこはやはり「本」であるから、自分でそうか…と思う答えを見つけなくてはいけないのだけれど。

そうして見つける答えは、いつも同じだったりする。
自分が今まで考えたり、感じたり、これが自分にとって生きていくという事なのだと思っていた事を再確認することだったりする。
あたしはただ単に怠け者で、ハートの筋肉が鍛えられていなくて、できていないだけなのだと。
本を読むことは自分の心に電話をかけることだから、
それでもいいのかな。
なんかもひとつ得たいような気もするな。
あたしはもっと柔らかくなりたいよ。

本を閉じたとき、ふと付録の向田邦子の年譜をみたら、
その日はちょうど、向田さんが乗った飛行機が墜ちた日だった。
今からちょうど33年前のその日、向田さんは死んだのだ。
不思議だった。
85歳の向田さんを想像してみたけど、できなかった。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 随筆・随想
感想投稿日 : 2014年8月24日
読了日 : 2014年8月24日
本棚登録日 : 2014年8月22日

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