センスは知識からはじまる

著者 :
  • 朝日新聞出版 (2014年4月18日発売)
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感想 : 549
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 「くまモン」などの数々のヒット商品を手掛けたグッドデザインカンパニー代表、水野学氏による著作。
 私は自分がセンスの無い人間だと思っている。何をやってもダサいと。
 本書のタイトルを見て、「えっ、センスは知識からはじまるってことは勉強すればセンスは磨けるの?」と思って手に取った。学校の勉強は主要科目はコツコツ勉強すればいい点が取れるけど、芸術系や体育系などの副教科は天性の才能が影響し、持って生まれたセンスのある無しによってどうしようもないものだと思っていた。だから、センスと知識はどちらかというと相反するものだと思っていた。
 著者がクリエイターとしての経験や学生に教えた経験から述べられているには、「誰も作ったことのないようなものを作ろう」として、ゼロから良いものが出来ることは殆ど無いということ。ヒットする物を産み出すには、「普通」や「王道」を良く知り、そこから今、プラスアルファ何があれば売れるだろうと考えることだという。だからといって、むやみやたらと市場調査をしても意味はなく、市場調査に頼りすぎるのが「日本人はセンスが無い」と言われる一因だという。
 要はセンス良くなるためには常にアンテナを張り、人の話をよく聞き、常に勉強し、やったことのないことを時々してみたり、話したことのない人と話してみたりして、自己研鑽すること。「私はどうせ、センスが悪い」と俯いてばかりいてもセンスは悪くなるばかりだろうと思った。
 ただし「流行っている=センスが良い」ではないから、むやみやたらと流行を追う必要は無い。けれど、「王道を知る」のと同時に「流行っているものを知り」「それらの共通項や一定のルールがないか考える」ことは大切だ。流行を追うことは疲れると考える私にとって、流行も含めてもっと高いところから見渡すことが必要だと分かり、ボチボチやってみようと思った。
 講演会で聴いたら良い話だと思った。ただ、この本自体、あまりにもスルスルと読めてしまったので、書籍としては物足りなかったかな?

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2021年5月5日
読了日 : 2021年5月5日
本棚登録日 : 2021年4月20日

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