分け入っても分け入っても青い山
まっすぐな道でさみしい
すすきのひかりさへぎるものなし
うしろすがたのしぐれてゆくか
冬雨の石階のぼるサンタマリア
ゆふ空から柚子の一つをもらふ
ひつそりかんとしてぺんぺん草の花ざかり
ながい毛がしらが
あざみあざやかなあさのあめあがり
雲がいそいでよい月にする
はれたりふつたり青田になつた
酔へなくなつたみじめさはこほろぎがなく
やつと郵便が来てそれから熟柿の落ちるだけ
月がうらへまはれば藪かげ
ふくろうはふくろうでわたしはわたしでねむれない
誰も来てくれない蕗の佃煮を煮る
山から山がのぞいて梅雨晴れ
食べる物あつて酔ふものあつて雑草の雨
ここにわたしがつくつくぼうしがいちにち
月も水底に旅空がある
季語があるのかどうか分からない句もあるが、貧しくて孤独な自分と自然を愛とユーモアのある視点で切り取っている。自由闊達で、侘び寂びを地でいっているような俳人。どの句も素晴らしい
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2022年8月6日
- 読了日 : 2024年5月3日
- 本棚登録日 : 2022年8月6日
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コメント 3件
goya626さんのコメント
2022/08/08
Macomi55さんのコメント
2022/08/08
goya626さんのコメント
2022/08/10