「嘘」というより「お話」。作り話をして、その世界にどっぷりつかってしまう女。現実的で、親切で、有能なジェーニャは人生のそこここで出会うそんな女たちに振り回される。
作者は「何の意図もなく嘘をつく」と書いているけれど、私には彼女たちの語る背景に何か問題があって、そこから逃避するために物語が作られていくように感じる。1970年代から現在までの大きく変わった「ロシア」に生きるには何かが必要だったのだ。
最後にはジェーニャの人生にも大事件が持ち上がる。彼女も何か物語をこしらえて日々を乗り切るようになるかもしれない。
現代女性ロシア文学を読むのは初めて。短編集だし、面白かった。
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- 感想投稿日 : 2012年8月24日
- 読了日 : 2012年8月24日
- 本棚登録日 : 2012年8月23日
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