期待して読んだがいまひとつ。初出の2006年にブームだった、貧困小説、ニート小説のアイロニカルなパロディと評するのも当時は的外れではなかっただろう。
しかし、絶望した男が売春婦に救われるモチーフは現代小説の王道であり、SMなど村上春樹のように一風変わった性的趣向を凝らしたところで目新しさは感じられない。
宇宙人によって北区が滅ぼされようとしているという〈非日常〉設定も、男女間の〈日常〉的会話を引き立てることはなく、「非日常の中の日常」「日常の中の非日常」の演出としては宙ぶらりんな印象である。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年9月5日
- 読了日 : 2013年9月4日
- 本棚登録日 : 2013年9月4日
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