正岡子規が、喀血と闘いながら、死の直前まで書きとめた日記。
脊髄カリエスで耐えがたい痛みで寝返りも打てぬ病状のなか、タイトルどおり仰向けの状態で日々の生活を写生したという。
”坂の上の雲”に、正岡子規が無名歌人に対して送ったこんな手紙があったそうな。
「血をはきし病の床のつれづれに
元義の歌よめばうれしも」
まったく、「人間というこの痛々しいいきものは、どうやら仕事をするために生きているものらしい。」というフレーズが悲痛にも伝わってくる。
三度の食事の内容が記録されたり、直筆の俳句や水彩画が挿絵として載っていたりと、非常にユニークな作品でもあるが、かえってリアルなだけに当時の様子がありのままに感じ取れる実に貴重な一冊です。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
文学
- 感想投稿日 : 2010年11月6日
- 読了日 : 2010年11月6日
- 本棚登録日 : 2010年11月6日
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