え、これがデビュー作!?
天才にも程があるでしょ...。
ここ最近で読んだ推理小説の中でダントツで面白かったです。冤罪をかけられた1人の男性のために、刑事と元受刑者が手を取り合って解決していく物語。
オノとハンコの指紋鑑定で純一が出てきた時のショックさ。でも「やっぱりなぁ」って。
もしかして、南郷と一緒に真犯人を探していく中で南郷のことをあざ笑ってたクズだったのかなぁって。ガックシ...とまでなったのに、まさか純一の指紋がカモフラージュのために悪用されていただけなんて。純一がこのまま逮捕されて終わっちゃうのか...?と思いきや、本当にギリギリのところで真犯人登場。もう精神が追い付かない...!真犯人も意外すぎるし、純一の過去も苦しすぎる。というか、主要人物全員過去が重い。背負ってるものが重すぎる...。夜に読むもんじゃないです。
こんなに二転三転する面白い小説に出会えて超満足。なんでもっと早く出会ってなかったんだろう。
この「13階段」は、死刑制度や冤罪について結構考えさせられる作品でした。個人的な考えですが、死刑制度は無くさなくていいと思います。報復精神を持つ人間がほとんどだと思うから...。ただ、脆弱で怠慢な法制度については見直すべきだと思ってます。罪を裁くというのは、難しいですね...。また、死刑執行も誰かが絶対にやらないとというのも...心苦しいというか、悩ましいというか。
もちろん、極悪人は処刑されるべきだと思ってます。...が、違法じゃないってだけで、刑務官も実質人を殺してるってことになるんですもんね。相手がどんな人であれ、人の命を奪うなんて行為、誰もしたくないはず。でも誰かがやらないといけない...。でも多くの国民は死刑を求めてる。キツイ問題だなぁと思います。
死刑は廃止すべきなんて、大切な人を殺された経験もない人が言えたもんじゃないですよね。死刑って国が遺族の代わりに殺戮者を殺す制度、非道徳的だなんて言うけれど、でも実際自分にとって大切な人が殺されたときにおんなじこと言えるかな。きっと私だったら報復精神で死刑を求めてしまうんだと思います...。だから、私は死刑制度賛成派。ただ冤罪は怖いですし、無実な人が死刑になる事件だけは絶対に起きてほしくないなぁと思います。
南郷さん、サウスウィンドベーカリーの夢諦めないでほしいなぁ...。
【好きな箇所】
法律は正しいのですか。本当に平等なのですか。地位のある人もない人も頭のいい人も良くない人も、金のある人もない人も、悪い人間は犯した罪に見合うように、正しく裁かれているのですか。自分が佐村恭介を殺した行為は、罪なのでしょうか。そんなことも分らない自分は、救いようのない極悪人なのでしょうか。
- 感想投稿日 : 2024年4月20日
- 読了日 : 2024年4月20日
- 本棚登録日 : 2024年4月20日
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