ランチタイム・シンデレラ (アクアノベルズ)

著者 :
  • オークラ出版 (2003年11月1日発売)
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本棚登録 : 39
感想 : 3
4

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●感想● </BR>
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もうお解りでしょう、表紙買いです、弱点でございます。ソファーに座る至の足にキスする恭祐のイラストにやられました・・・。
元高校の同級生、現在はお互いリーマン。インテリアデザイン事務所勤務の受・至×情報処理会社勤務の攻・恭祐。3作とも恭祐の趣味であるマウンテンバイクが絡んできます。</BR>


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☆ランチタイム・シンデレラ(小説b-Boy掲載)</BR>


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キスした思い出を忘れたい至と思い出して欲しい恭祐。多感な高校時代のほんのちょっとのすれ違いが両思いだった二人を結ばせなかったのね。
再会してからは押せ押せの恭祐と逃げ腰の至の様子がおかしい。同級生カップルって割とつまらないことで衝突することが多くて苦手だったりするのですが。この二人の場合は至が怒って、恭祐が宥めるバランスが絶妙。でも至が自分勝手なわけでもなく、甘え上手な恭祐にすべて許してしまう至の不器用さも可愛い。至の怒りの裏には照れ隠しがあって、それをわかってやってる恭祐の方が一枚上手か・・・。至は基本的に乙女ですよ、可愛い。じゃあ恭祐は王子かって言えば、ちょっとヘタレが入ってる気もするんですが・・・。
お互い男は初体験同士。・・・なのに勝手に恭祐が至をネコって決めちゃって、戸惑う至が可笑しかったです。でもこの二人、万事がすべてこの調子なんですが・・・。
「ランチタイム・・・」と言うだけあって恭祐がおいしいランチを食べさせてくれるお店を案内してくれます。もうすぐお昼なんで・・・お腹がすいてきた。
<blockquote>せっかく気持ちを整理して、すべてをパンドラの箱に詰め込んでしっかり鍵をかけたというのに、恭祐は一瞬でその箱を開けてしまった。溢れだした気持ちはもう止められない。
「忘れるもんかっ。ずっと、ずっとあの日のことを引きずってて苦しいんだよ。どうにかしろよ。もう、どうにかしてくれよ。責任とれ、このバカっ!」
なんて色気のない、そして、可愛げのない告白なんだろう。でも、それが今の至の思いのすべてだった。
「責任取るよ。何もかも全部責任取るからさ、抱かせてくれよ」
そう言って伸びてきた恭祐の手が、至の二の腕をしっかりとつかんだ。</blockquote>


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☆バイシクル・ランデブー(小説b-Boy掲載)</BR>


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恭祐の趣味であるマウンテンバイクがネックになってる話。自転車に乗れない至を恭祐が自転車を買ってきて特訓するのですが・・・。大人同士なんだから自分の趣味を強要するな!と言いたいところですが。最初は自転車に反対していた至の心境の変化や、出張から帰る恭祐を待つ姿がホントに乙女なのに・・・どうして恭祐ってば、信用しろよ!と思いましたが。でも至も悪いか・・・せめて留守番電話は確認しましょう。</BR>

<blockquote>「このスキモノ・・・」
形ばかり憎まれ口を叩いた至に、恭祐はフンと鼻を鳴らして言い返す。
「お互い様だろ。昨日の夜、俺の腰に両足を絡めて離さなかったのはどこの誰だっけ?」
それは間違いなく自分だが、そんなことを言うならと、もう一度ベットを出ていこうとした。それを見て、慌てて引き戻そうとする恭祐の縋るような目が可愛い。
甘え上手で、甘やかせ上手。仕事はきっちりとやっているらしいが、私生活で見せるだらしのなさは、かまってやらなけりゃと思わせる男。
そのくせ、いざとなればやっぱり頼りになる。誰よりも大好きな、そして、一生一緒に生きていくと決めた至の恋人だ。</blockquote>

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☆ラブ・ツーリング(書き下ろし)</BR>


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恭祐のわがまま爆発って感じですか。結局いつものごとく至も流されるわけで・・・。日に焼くな、体に傷は付けるな・・・とお姫様のような過保護な恭祐。でもそれを至が喜んでるからいいんですがねえ。今回ちょっと積極的な至が読めます、相変わらず恭祐は苛めてますけどね。</BR>


<blockquote>「高校のときのお前はさ、人種が違うんじゃないかって思うほどはかなげできれいだった。今は・・・」
そう言うと、恭祐の愛撫に目を潤ませて、声を押し殺そうと自分の手の甲で唇を押さえている至を見下ろす。
「今は・・・な、なんだよ・・・」
荒い息でそうたずねたら、欲情に乾いた唇をペロリと嘗めてから言った。
「今はエロい・・・。エロくてメチャクチャきれい・・・。」
何回抱いても、こんなふうに呆れるほど甘い言葉を口にする。ちょっと照れた表情が本気なんだと教えてくれる。</blockquote>

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●あらすじ●</BR>

インテリアコーディネーターの至は、仕事先で、高校の同級生・恭祐と再会する。憧れていた恭祐からお昼に誘われドキドキの至に、恭祐は高校時代の恥ずかしい思い出を語り出す。
「俺ら高校三年のとき、公園でキスしたよな?覚えてるか?」
忘れたい至と、思い出させたい恭祐。その日から恭祐の強引なアプローチが始まった。ランチタイムを一緒に過ごそうと至の職場まで毎日迎えに来たり・・・。ほろっと切ない、大人のシンデレラストーリー。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: アクアノベルス
感想投稿日 : 2005年5月24日
本棚登録日 : 2005年5月24日

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