わたしにとって誰かを好きだと認識する瞬間というのは、そのひとが普段は見せない孤独、闇、翳りといったものを、ふとした拍子に垣間見た瞬間、に一致する。
そういう意味で主人公の女の子たちに無性に惹かれるわたしがいる。彼女たちは自分の奥底に秘めた暗い重たい闇を、決して外には見せないけれど、それを読者のわたしは一番近いところで読むことが出来るから。
自分を認めてもらいたいという願いだとか、破壊に対する甘美な衝動だとか、どうしたって報われることのない想いだとか。「共感」というには少し違う気がするけれど、彼女たちの抱える闇はそのままわたし自身にも当てはめることが出来そうで、心が痛い。
「花の咲かぬ土地を誰が不毛と決めたのか。」
ドロドロしたまま生きてゆくという、これがひとつの結論なのかしら。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2008年8月21日
- 読了日 : 2008年8月21日
- 本棚登録日 : 2008年8月21日
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