読了、80点。
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昔から人が見えないものが見える性質を持っていた八神森司は、浪人の末入学した雪越大学で高校の後輩で片思いの相手だった灘こよみと再会し、彼女が入会するオカルト研究会なるサークルに入会する。
そこで彼は様々な超常現象に遭遇しながら少しずつこよみとの距離を縮めようと奮闘し、、、
著者のデビュー連作短編集であり、第19回日本ホラー小説大賞読者賞+第25回小説すばる新人賞受賞作品
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基本的に本作品はキャラクターの魅力とその人物関係が魅力の小説だと思います。
イラストを見た時に部長が男性だと勘違いして、女性キャラ売りかなと勘違いしたぐらいです。
また文章的にも癖がなく、設定もゴテゴテのオカルト描写が少ないおかげでホラー成分も薄く、この手の小説に馴染みのない人にもお勧めしやすい作品かと思います。
同時にホラー成分の薄さは欠点でもあり、読んでいてやや物足りないと感じる部分もありました。
オカルト的な面で取り上げておいた方が良いと思われるのは、事件の解決方法とキャラクターの動かし方。
事件では基本的に超常現象が発生し、それが何を起点に発生したを解き明かすことで事件は収束しますが、何故起きたかという現象そのものの解明はなされず受け入れられていることが特徴です。
また本作最後の第5話の解決は個人的にはキャラクターの個性を上手く引き立てていてこれ以外にないという点で非常に秀逸な出来栄えだったと感じます。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
ホラー
- 感想投稿日 : 2013年2月23日
- 読了日 : 2013年2月18日
- 本棚登録日 : 2013年1月25日
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