何度読んでも引き込まれる。
人物の視点も時代もあっち行ったりこっち行ったり自在に動く針のようで、茫然と見てるうちに万華鏡のように華やかで重層的な、20世紀初頭のコロンビアの街の絵柄が刺繍されていく…って感じ。
『百年の孤独』のようなマジックリアリズム要素は薄いけど、(幽霊が一箇所出てくるだけ、たぶん)50年以上報われないままひとりの女性を愛し続けるとか、一方で13歳くらいの遠縁の少女との性愛に溺れるとか、鸚鵡を捕まえようとして木から落ちて死ぬとか、すべてが過剰で豊潤で、美しいラストの「限界がないのは死よりもむしろ生命ではないだろうか」の一文に深く頷きつつ、このように生を味わいたいな(もう少し薄味でいいけど)と願うのでした。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2023年9月17日
- 読了日 : 2023年9月17日
- 本棚登録日 : 2023年9月17日
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