いわゆる成功本とはちょっとだけ趣の違う、自己啓発本。
いわゆる成功本にありがちな、「まずは目標を設定してそれに向かって」的なアプローチではなく、目標が見つかっていない人が自分の目標を見つけるための手段として、徹底的なイメージトレーニングによって、人間が生物的に現状に留まろうとするホメオスタシスの抑止を試み、そこから自分の視点を広げていくという、これまでとは少しちがった方法で成功を目指すという方法を論じている。
著者が脳機能学者であることから、現時点で科学的に明らかになっている人間の脳の力やクセなどを巧みに捉え、それを逆手に取ることで自分が目指す夢への実現路を、「努力」でなくホメオスタシスのコントロールによって「自動的に」向かわせるというもの。
成功本で散々紹介されてきた、良いイメージを持ち続け、神や言葉、写真などでそれを常に頭に浮かべて行動するということが、人間の脳のどういった働きによって実現しているのかとてもよく理解できた。
他の成功本などを読む前に、これを読んでおいたほうが提案されている手法などの原理が理解できるから良いかもしれない。
多分、何度か読み返すことになると思う。
文章としても読みやすく、文章量としても手ごろ。
書籍の中盤に乗っているチュートリアルは絶対に実践してみたい。
お気に入りの言葉は、
「自分たちが自我だと思っていることは、すべて他者との関係性にまつわる情報で成り立っている。だから自我なんてものはそもそも存在しない。」
「その関係性を情報として塗り替えて上げれば、自我などというものはいくらでも変更できる。つまりそれが、変われる、ということ」
- 感想投稿日 : 2020年2月17日
- 読了日 : 2008年11月18日
- 本棚登録日 : 2020年2月17日
みんなの感想をみる