森に消えた兄。
映画『ピクニックアトハンギングロック』で消えた少女達のように戻ってこなかった者のことを残された者はずっと思い続ける。神隠しに遭うのかふらりと此岸に旅立ったのかは大事なことではなくそれは向こう側に行った者たちの物語だから。
僕らは、めめも戻ってきた彼女たちもこちら側の彼岸にいて思う。残された者にできるのは想いをはすということぐらいと日々の中で少しずつ変わり続ける事柄になんとか対応して生きていくということだけだろう。
ふみふみこ作品にあるセンチメンタルと交ざり合う性的なものとテンポよく、しかし重点はきちんと描く作風は生と死の狭間にある日常を浮かび上がらせている。
と書いてみたけど面白かったといいたいだけ。一巻でコンパクトにまとまってるのも読了感としていい。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2013年12月7日
- 読了日 : 2013年12月7日
- 本棚登録日 : 2013年12月7日
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