【目次】
はしがき(二〇〇六年二月 Y.H.) [i-iv]
目次 [v-ix]
題辞 [x]
第1章 立憲主義の成立 001
アトランタでの問い/サンチャゴでの問い
1 ドン・キホーテとハムレット 004
多元的な世界/ハムレットの「良心」
2 立憲主義の成立 008
比較不能な価値の対立/政治プロセスの適正化
3 日本の伝統と公私の区分 012
日本社会の公と私
4 本性への回帰願望? 014
「分かりやすい世界」へ?
5 憲法改正論議を考える 017なぜ厳格か
特定の価値観の導入?/新しい人権・責務/九条改正論/
6 「国を守る責務」について 022
守るべき国とは何か/憲法秩序と国土・暮らし/テロの時代と平和主義
文献解題 026
第2章 冷戦の終結とリベラル・デモクラシーの勝利 035
1 国家の構成原理としての憲法 036
憲法をめぐる争い
2 ルソーの戦争状態論 038
ルソーのホッブズ批判/戦争の即時解決の道
3 三種の国民国家 040
国家像の変貌/三者の闘い
4 シュミットと議会制民主主義 043
シュミットの議会制批判/敵対関係と国家間関係/治者と被治者の自同性/ファシズムと共産主義
5 原爆の投下と核の均衡 048
原爆投下の正当化理論/「究極の緊急事態」/バビットの批判/冷戦の終結
6 立憲主義と冷戦後の世界 054
リベラルな議会制の特長/冷戦終結の意味とは
7 日本の現況と課題 057
東アジアの対立構造/憲法典の変更を言う前に
文献解題 061
第3章 立憲主義と民主主義 067
1 立憲主義とは何か 068
二つの立憲主義/近代以前と近代以後/立憲的意味の憲法/九条解釈と立憲主義
2 民主主義とは何か 072
「多数者の支配」への嫌悪/議会制とシュミットの批判/ケルゼンの議会制擁護/ハーバーマスと討議の空間/マディソンと大きな共和制/アメリカの民主制
3 民主主義になぜ憲法が必要か 081
プレコミットメントとは
文献解題 082
第4章 新しい権力分立? 087
1 ブルース・アッカーマン教授の来訪 088
1-1 モンテスキューの古典的な権力分立論 089
権力分立の眼目/影響力
1-2 「新しい権力分立」 097
三つの政治体制/何が望ましいか/三権以外の機関の独立
2 首相公選論について 097
議院内閣制との相性/小選挙区制との相性/純粋の大統領制は?/半大統領制は?
3 日本はどこまで「制約された議会内閣制」といえるか 106
「最悪の体制」/日本の議院内閣制/官僚機構の「中立性」/行政・司法への制約について/内閣法制局という存在
4 二元的民主政――「新権力分立論」の背景 112
一元的民主政と二元的民主政/国の根本原理と憲法/憲法政治と通常政治
文献解題 117
第5章 憲法典の変化と憲法の変化 125
1 「憲法改正は必要か」という質問 126
質問の不思議
2 国民の意識と憲法改正 128
憲法典改正なしの根本変更/フランスの事例
3 実務慣行としての憲法 132
法と道徳/一次レベルから二次レベルへ/二次レベルのルールと専門家集団/三次レベルのルールへ
4 憲法とそれ以外の法 139
法の回復への欲求か/憲法と憲法典
文献解題 142
第6章 憲法改正の手続 147
1 改憲の発議要件を緩和することの意味 147
1-1 なぜ多数決なのか――その1 150
多数者の幸福/なぜ特別多数決か
1-2 なぜ多数決なのか――その2 153
コンドルセの定理/なぜ特別多数決か
2 憲法改正国民投票について 156
あるべき国民投票制度/熟議機関の設定/公正な討議の機会/個別の論点ごとの投票
文献解題 165
終章 国境はなぜあるのか 169
1 国境はなぜあるのか――功利主義的回答 171
統治の実効性/人権の実効的保障
2 国境はなぜあるのか――「政治的なるもの」 174
カントとホッブズ/シュミットの人間と国家/生の意味をかけた闘い
3 国境はいかに引かれるべきか 181
通常正当化テーゼ/手段としての国家・国境
4 境界線へのこだわり 185
国境の恣意性と相対性/境界線の自己目的化
文献解題 187
- 感想投稿日 : 2016年11月14日
- 本棚登録日 : 2016年9月20日
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