女のからだ――フェミニズム以後 (岩波新書)

著者 :
  • 岩波書店 (2014年3月21日発売)
3.72
  • (6)
  • (11)
  • (15)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 259
感想 : 21

【目次】
目次 [i-iv]

はじめに――フェミニズムと女のからだ 001
変革の時代とフェミニズム/第二波フェミニズムの二つの流れ/コンシャスネス・レイジング/性差ミニマリズム/マキシマリズム/女性学の挑戦/女の健康運動

第1章 女の健康運動―― 一九七〇年代のアメリカ 017
1 女と医療をめぐる状況 018
女の健康運動の始まり/中絶問題の重要性
2 何よりも中絶の自由を――レッドストッキングス 023
レッドストッキングスの女たち/中絶法をめぐる攻防/スピークアウトからロウ判決へ
3 女をモルモットにするな――ピル、DES、ダルコン・シールド 031
ピルに対する警告/DESの危険性と放置/ダルコン・シールド等のIUDによる被害/女の健康ネットワークの結成/黒人女性のためのプロジェクト
4 自分の子宮口を見てみよう――スペキュラムとデル・エム 044
性器を自分の手に取り戻す/デル・エムの考案とセルフヘルプ運動/女のためのクリニックとバックラッシュ
5 「こちらはジェーンです」――伝説の中絶地下組織 055
「ジェーン」の誕生/ジェーンでの中絶のやり方/警察の手入れと活動の終了

第2章 地球を旅する本――『私たちのからだ・私たち自身』の軌跡 065
1 「それはこんなふうに始まった」――起源の物語 066
フェミニズムの隠れたベストセラー/OBOSの誕生/OBOSはなぜ支持されたか
2 OBOSの魅力とは何か 075
知識は力なり/女たちの経験の重視/当事者によって語らせる/成長し続ける集団プロジェクト
3 国境を超えて 083
国際的広がりの三つの時期/さまざまな翻訳・翻案のあり方/グローバル・ネットワークの形成
4 二つの日本版OBOS 092
リブのなかのOBOS/第二の日本版OBOS/『からだ・私たち自身』の試み

第3章 日本のウーマン・リブと女のからだ 103
1 リブの誕生 104
「おんな」たちの出会い/ウーマン・リブは輸入か自前か
2 優生保護法をめぐる対立 110
優生保護法改定の動きとリブの反対運動/障害者からの反対/リブと障害者運動との対峙/中絶は「女の権利」と言えるのか/リブのなかの分裂/リブは「母性主義」か
3 ピルへの複雑な思い 125
ピル推進派と懐疑派と/ピルは飲んでも飲まれるな/からだへの向き合い方
4 女のからだの日常から 132
ベビーカ締め出し反対運動/モナリザ・スプレー事件/生理休暇は是か非か論争

第4章 一九八〇年代の攻防と、その後 143
1 優生保護法改定運動の再浮上 144
「胎児の生命尊重」というレトリック/アメリカの反中絶派との連携
2 改悪反対運動の広がり 150
女たちの決起/反対運動への既成女性団体の参加/反対運動の拡大と改定の試みの頓挫
3 富士見産婦人科病院事件 159
事件の発端/告訴と医学界の反応/長期裁判の過程で
4 富士見病院事件と女のからだ 170
「いらない子宮はとってあげる」/無知と羞恥心を乗り越えて/「中絶の自由」への屈折した思い
5 阻止連と障害者運動 178
リブを引き継いだ阻止連/女性障害者たちとの連携/優生保護法改定をめぐる相克/妥協の産物としての母体保護法
6 女のためのクリニック活動 191
女のための医療づくりに取り組む/アメリカの運動に学ぶ/「私たちはピルを選ばない」/クリニックの開設

第5章 生殖技術という難問 203
1 産むための技術の焦点化 204
新たな問題の浮上/体外受精という技術の持つ意味/(1)生殖プロセスのパーツ化と外部性/(2)生殖の脱セックス化と商品化/(3)生殖細胞への人為的介入の可能性
2 不妊とフェミニズムの関係 210
不妊と卵子の老化/卵子老化問題とフェミニズム
3 生殖技術と日本の現状 215
ARTと阻止連の主張/生殖技術をめぐる日本の世論
4 アメリカの生殖資本主義 222
ベビーM事件/代理出産ビジネスの活発化/代理出産をめぐるフェミニズム内の対立/歯止めをかけることはなぜ難しいか

おわりに――女のからだは誰のもの 235
女たちは自由になったのか/ARTをめぐる困難/「選択の自由」の変質

主要参考文献 [245-247]
図版出典一覧 [248]

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 367.家・性・老
感想投稿日 : 2016年5月14日
本棚登録日 : 2016年5月14日

みんなの感想をみる

ツイートする