先行する『タテ社会の人間関係』がスタティックなら、こちらはダイナミックな視点だと著者。なお、巻末には短めの対談も収録している。
ゆくゆくは、(本書をベースに)韓国社会との対比を考察した本を読みたい。
2009年には文庫化。
〔http://bookclub.kodansha.co.jp/product?item=0000211436〕
【簡易目次】
はじめに
第一部 個人と集団――小集団の特性 011
1 個体認識について 012
2 小集団所属 021
3 類別集団における個人と集団 040
4 ネットワークと個人 052
5 小集団における特色ある人間関係 078
6 小集団的思考と行動様式 094
第二部 集団と集団――隣接する諸集団のメカニズム
1 軟体動物的構造 110
2 権力でなく圧力 125
3 エスカレートする隣接集団間の動き 138
4 性能のよい連続体 147
付記1 理論と変化の過程――社会的諸現象の理解とその方法について 168
付記2 タテ社会論からクラゲ論へ 177
【目次】
はじめに(一九七八年一月五日 ニューデリーにて 中根千枝) [003-006]
目次 [007-009]
第一部 個人と集団――小集団の特性 011
1 個体認識について 012
民間信仰的な個人主義
生物にとって個体とは何か
個人は細分化される――インド
一体化の強調――日本
2 小集団所属 021
場を共有する小集団
小集団の構成
理想的サイズ
変動する関係
註
個人参加ではない
かたく閉ざされた家の枠
恒久的な血縁集団
一戸から一人
悲劇的な「仲間はずれ」
セクションごとの孤立性
集団間のルール
3 類別集団における個人と集団 040
派閥・系列の発生
リーダーシップの差
ルールの重み
「なんだって俺だけが――」の論理
破戒僧への制裁
註
あくまでも小集団帰属
限られた「二つの顔」
4 ネットワークと個人 052
タテのネットワーク
限定されたネットワークの範囲
中国人的ネットワーク
「甘え」と「信頼」
日本人に対する違和感
家族関係の位置づけ
東南アジアにみられるネットワーク
脆弱ながら安定
すべては個人プレー
排他性をもつ地域社会のネットワーク
システムとしての大きな違い
ネットワークとタテ関係の対照
紹介状の濫発が意味するもの
紹介状の重み
潜在意識の中の「タテ」
5 小集団における特色ある人間関係 078
人物評価の基準
大きな意味をもつ職場での接触
全人格的参加を要求
小集団ではリーダーの権力行使はできない
儀礼的な序列
タテ組織の潤滑油
人と人とのなじみ合い
トップも小集団を形成している
側近政治はなぜ起こるか
一番強い現場監督
タテ社会と服従
6 小集団的思考と行動様式 094
非礼と慇懃無礼
わがままと辛抱強さ
許容される自己顕示欲
反論を楽しむインド人
形式主義の適用
中間形態のノーマルな行動様式
無差別平等主義
集団のかくれ簑
第二部 集団と集団――隣接する諸集団のメカニズム
1 軟体動物的構造 110
諸集団統合のカテゴリー
相対的順位
潜在的なタテ関係
隣接し、なじみあう集団関係
同質の部分から構成される連続体
ヒトデに似た運動法則
刺激への反応と伝達のプロセス
2 権力でなく圧力 125
責任を明確にしえないメカニズム
意思決定のプロセス
権力は存在するか
権力は「悪」か
権力ではなく圧力
権力ではなく権威
3 エスカレートする隣接集団間の動き 138
選挙違反と法
接待行政の根
悪の許容限度
法的ではなく力学的な規制
4 性能のよい連続体 147
観念と現実のあいだ
ファッションとしての評論
じゅずつなぎの連続体
中流意識の実態
法意識の対比
法規制ではなく社会的規制
小集団規制の効用
変化に強い社会環境
原則のない国
動的法則性
付記1 理論と変化の過程――社会的諸現象の理解とその方法について 168
付記2 タテ社会論からクラゲ論へ 177
- 感想投稿日 : 2018年7月2日
- 本棚登録日 : 2014年7月19日
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