不平等について―― 経済学と統計が語る26の話

  • みすず書房 (2012年11月23日発売)
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原題:THE HAVES AND THE HAVE-NOTS: A Brief and Ideosyncratic History of Global Inequality (2010)
著者:Branko Milanović
訳者:村上彩

【書誌情報など】
四六判 タテ188mm×ヨコ128mm/240頁
定価 3,240円(本体3,000円)
ISBN 978-4-622-07691-9 C1033
2012年11月22日発行

史上最高のお金持ちはだれか? グローバリゼーションで世界は不平等になったのか? 現代のアメリカと古代ローマ帝国の所得格差はどれほど違うのか? などなど、数多くの思い込みを数字で覆し、精確に理解するための必修知識を与えてくれる一冊。

「あなたは世界の所得分布のどの辺りにいるのだろうか。J・オースティン『高慢と偏見』のダーシーや、アンナ・カレーニナはどうだろうか。アウグストゥスはビル・ゲイツよりも金持ちなのだろうか。中国が、ソヴィエトやユーゴスラヴィアのようにバラバラになるかもしれないのはなぜだろうか。所得と富の偏在になぜ注目すべきなのだろうか。著者は25年にわたって世界の不平等を研究してきた。本書は不平等の『アラビアン・ナイト』であり、歴史、文学、世界各地の事例が満載だ。持てる者にとっても、持たざる者にとっても、必読、発見の一冊」
――アンガス・ディートン(プリンストン大学 経済学・国際関係学教授)

「全世界をまたにかけ、時間を越えて旅をする、楽しみ満載のこの本で、経済的不平等という深刻な主題について学んでみよう! 著者は数々の魅力的なお話を通して、所得と富の不平等――そして、その概念、計測、変化、生活における役割を、正確さを失わずに、バランスよく説明している。旅先にも持っていけるし、教室でも使える、とてもすばらしい一冊」 
――トマス・ポッゲ(イェール大学 哲学・国際関係学教授)
http://www.msz.co.jp/book/detail/07691.html

【目次】
献辞 [001]
題辞 [002]
目次 [003-006]

はじめに 007

第1章 不平等な人々――国家内の個人の不平等 013
  社会の所得水準に応じて、不平等はどのように変化するのか  不平等は経済効率にどのような影響を及ぼすのか  不平等と経済的正義  不平等の測定
1の1 ロマンスと富 
1の2 アンナ・カレーニナはアンナ・ヴロンスカヤになれたのか 
1の3 史上最高のお金持ちは誰か 
1の4 ローマ帝国はどれほど不平等だったのか 
1の5 社会主義は平等主義だったのか 
1の6 パリに住むなら、どの区に住む? 13世紀なら? 現代なら? 
1の7 財政再分配で恩恵を受けるのは誰か 
1の8 複数の国はひとつにまとまれるか 
1の9 中国は2048年まで生きのびるか 
1の10 2人の不平等研究者、ヴィルフレド・パレートとサイモン・クズネッツ 

第2章 不平等な国々――世界の国家間の不平等 092
2の1 なぜ、マルクスは道を間違えたのか 
2の2 今日の世界はいかに不平等か 
2の3 「生まれ」は所得の決め手か 
2の4 世界は要塞都市になるのか 
2の5 ハラガとは何者か 
2の6 オバマ家3代 
2の7 脱グローバリゼーションで世界は不平等になったのか 

第3章 不平等な世界――世界の市民の不平等 136
  グローバリゼーションとグローバルな不平等
  世界を背負うクジラたち
  長時間かけて変容してきたグローバルな不平等
  グローバルな不平等は問題なのか
  グローバリゼーションのトリレンマ
3の1 あなたは世界の所得分布のどこにいるのか 
3の2 世界に中間層は存在するか 
3の3 アメリカ合衆国とEUの違いは何か 
3の4 アジアとラテンアメリカが鏡像関係にある理由 
3の5 試合が始まる前に、勝者を知るには 
3の6 所得格差と世界金融危機 
3の7 植民地支配者は搾取の限りを尽したのか 
3の8 なぜ、ロールズはグローバルな不平等に無関心だったのか 
3の9 グローバル経済と地政学 

参考文献 [xxvi-xxxvii]
原注 [vii-xxv]
索引 [i-vi]

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 331.経済原論
感想投稿日 : 2018年7月26日
本棚登録日 : 2014年7月25日

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