ロンリープラネット (KCデラックス BE LOVE)

著者 :
  • 講談社 (2011年11月30日発売)
3.59
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本棚登録 : 565
感想 : 30
4

表題作は、他人とのつながりを巧く保てない人々を星々に例えて描く中編。
主人公の占いに木星等の単語は出てくるが、語呂が良いから選んだだけで、惑星(プラネット)に大きな意味は無さそう。
頻出する夜空の星は殆ど恒星だし、主人公のイメージはスペースシャトルだ。

話が散って纏まりが無いようにも感じるが、「混沌」を意図してのことだろう。
その中でも特に作者が一番描きたかったのは、表紙絵の妙齢の男女の中で明らかに浮いている、精神遅滞のおばさんかもしれない。
ビジュアルや話の重さの点で、恋愛主体の少女漫画で描くには不向きだと判断し、脇役としてこっそり登場させたのではないだろうかと深読み。

泣かせるところはしっかり泣かせに来るし、合間にはクスリとくるようなやり取りもあり、いいバランスだった。

巻末の『その子ください』は文句ない出来。
未熟ながらもそれを自覚して、強く優しくあろうとする主人公の心はとても美しく、感動させられた。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 全1巻
感想投稿日 : 2013年6月8日
読了日 : 2013年6月8日
本棚登録日 : 2013年5月28日

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