はざまのコドモ 息子は知的ボーダーで発達障害児

  • ぶんか社 (2015年12月15日発売)
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感想 : 20
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「発達障害」という言葉がほとんどきかれなかった頃に教育について学んでいました。
ヨシ君の幼少期時代よりもさらに一昔前です。
学生活動の一環で、IQは低くないけれど学校での授業がきちんと受けられない子たちの補習に付き添ったりしていました。
当時の教育現場では
「養護学校に行かない(行けない)のなら、いかに普通学校で普通にしてもらうか」
が重要課題であって、特性に合った寄り添い方をするなんていうのはほとんど考えられていなかった気がするし、私自身も「”普通”にできるように矯正する」のが正しい行いと考えていたと思います。

「IQ低くないのに色々できないのは親のしつけのせい」と全力で思っている人が教育現場にもそれなりにいたから、この漫画に出てくるムカつく人たち(教頭や5年生の時の担任など)のヨシ君への苛立ちも少しわかって嫌になります。

だからこそ、ここ数年の発達障害や周辺ボーダーへの理解が少しずつひろがっていっていることに安堵もしますが、今もヨシ君時代(私が学んでいた当時よりは少しはマシになっているように感じた)と大して変わらない問題は数多あるようで、理解と実務はまた別な話になっているんだなと思うとやり場のないモヤモヤをおぼえました。

個人的には、中学の支援学級でどういうことが行われているのか少しだけ垣間見られて興味深かったです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: まんが
感想投稿日 : 2023年9月3日
読了日 : 2023年9月3日
本棚登録日 : 2023年9月1日

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