ゆるゆると綴られる、「過不足はない」けれど、「絶望」と隣り合わせの日常。
「恋人と別れるべきかもしれない。
私は恋人以外の男性には興味がないが、恋人と生きようとすれば、閉じ込められてしまう」
この部分がすごく理解できた。
以前、あるTV番組で冨永愛が結婚生活を振り返ってこう言ったのを聞いたときも
同じように感じたのを覚えている。
「立っている場所がすごくぬかるんでて、いつ落ちてもしょうがないような感じだった」
一緒にいるときは満ち足りているのに、離れた途端に襲ってくる不安。
その不安が恐くて、いつの間にか好きな相手と一緒にいるのも恐くなっていく。
だけど手放すのも、恐い。
恋をするから孤独なのか。
孤独だから恋をするのか。
どちらも違うんだろうな。
ところどころに登場する、“柘榴の甘い匂いのボディシャンプー”が気になった。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
江國香織
- 感想投稿日 : 2009年12月30日
- 読了日 : 2009年11月7日
- 本棚登録日 : 2009年11月7日
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